石巻⇒仙台往復割引きっぷ
石巻市は宮城県第2の都市で仙石線が県都仙台市とを結んでいます。仙台から石巻へ行く場合は仙石線の快速で1時間程度で結んでいましたが、平成10年に三陸自動車道が石巻河南ICまで開通して以降は宮城交通の高速バスとの競争となっています。
一昨年3月の東日本大震災で仙石線が寸断され仙台~石巻を結ぶ機能を果たせなくなると、2週間で三陸自動車道が復旧した高速バスはその代替となるべく増発され、今では概ね1時間に2~3本運転されています。仙石線はあおば通~高城町間と陸前小野~石巻間それぞれで復旧しその間を代行バスで結んでいますが、乗り換えを要するのと所要時間がかかるのが嫌われて、仙台までの直通客はかなり奪われているように見えました。
(石巻行直通快速:仙台駅)
直通客を取り戻すべく仙台~石巻間を東北・石巻線経由でノンストップで結ぶ「直通快速」の運転も始めていますが、朝晩1往復ずつしかなく、使い勝手が悪い感は否めません。
宮城交通は仙台~石巻間で片道800円で、2枚綴りの回数券で750円です。方やJRの「Wきっぷ」で片道あたりの価格を750円と同額にしています。宮城交通にはさらに10枚綴りだと700円という回数券まであります。
JRでは昨年7月から「石巻⇒仙台往復割引きっぷ」という往復1400円のきっぷの発売を始めました。この価格は当然宮城交通の10枚綴り回数券を念頭にした価格であると思われます。既に発売されている「Wきっぷ」より100円安いですが、2日間有効と短く、片道2人利用ができず1人の往復利用に限られます。また、経路は仙石線or東北・石巻線経由が選択できる代わりに、仙石線・あおば通駅の利用はできなくなっています。
(ゆき)
(かえり)
これがきっぷの現物です。きっぷの名称にわざわざ⇒が付いているので気づいた方もいるかもしれませんが、仙台側での発売はなく石巻側からの発売に限られています。もっと具体的に言うと石巻・矢本の両駅のみの発売だったりします。「仙台と石巻の往来用のきっぷ」ではなく、あくまで「石巻から仙台へ往復するためのきっぷ」という趣旨になろうかと思います。
先般、ようやく不通区間である高城町~陸前小野間の新ルートが決まり、復旧に向けて動き出しました。全線再開は平成27年度中とのことなので、JRにとってはしばらく辛抱の日が続くことになりそうです。
【ひとこと】
仙台~石巻間の普通運賃は950円です。宮城交通の回数券の対抗措置として発売しているので価格としては頑張っていると思います。ただ、なぜ仙台側でも発売しないのかイマイチよくわかりません。売れ過ぎてしまうと困る事情でもあるんでしょうか。
いちおう今年3月末までの発売ですが、延長があるかもしれません。
使い勝手…★★☆☆☆
お得感…★★★★☆
当日発売…あり
小児用…あり(700円)
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