北アルプス
▼種別:特急
▼運転区間:新名古屋~高山(1日1往復)
▼最終運転日:平成13年9月30日
特急「北アルプス」は昭和40年8月に前身の準急「たかやま」として運転開始して以来、ずっと名鉄の車両が使われていました。名鉄の神宮前から名鉄犬山線を北上し、新鵜沼駅から短絡線を経由し高山線・高山駅まで乗り入れました。昭和45年に急行「北アルプス」と改称してからは夏季の繁忙期に富山地方鉄道・立山駅まで乗り入れをするようになり、「名鉄~国鉄~富山地方鉄道」という後にも先にも唯一の三社連絡を行っていました。昭和51年に特急化し、昭和60年に富山地方鉄道乗り入れは中止されましたが、運転区間は名鉄の新名古屋(現:名鉄名古屋)~富山に変更となりました。
車両は昭和40年以来キハ8000・8200系という名鉄オリジナルの車両でした。外観は国鉄のキハ82系に近い感じでしたが、内装は名鉄のパノラマカーという折衷型でした。平成に入りJR東海が高山線の特急「ひだ」に新型気動車キハ85系を投入すると、旧型の名鉄車は明らかに見劣りがするようになりました。そこで平成3年に右の写真のキハ8500系を投入しました。この車両はJR東海のキハ85系と併結できるよう設計されており、美濃太田駅で「ひだ」との分割・併合を行いました。
新型車両を投入したものの、「北アルプス」を取り巻く環境は思わしくありませんでした。名鉄新名古屋駅は地下にあるためアクセスが悪く、新幹線との乗継割引も適用されず割高感がありました。また、東海北陸自動車道の延伸に伴い、高速バスが進出し競争が激化しました。さらに名鉄自体の業績も悪化し、「北アルプス」のためだけに特急型気動車を維持するのも難しくなりました。
そんなわけで平成13年9月末で廃止になりました。その後キハ8500系は全車会津鉄道に譲渡され、平成14年3月より「AIZUマウントエクスプレス」として「北アルプス」当時と変わらぬ姿で会津の山奥を走っています。いつでも乗れると思って放置していたら知らぬ間にお亡くなりになり、残念ながら乗る機会はありませんでした。その代わり(?)「AIZUマウントエクスプレス」 には何回か乗っています。
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