最後の○○
平成28年がまもなく終わろうとしています。職場では振り返るのも忌まわしいほどの史上最悪の一年でしたが、職場の外では海外2回も含めとにかくいろいろ出かけられて充実した一年になりました。
私の趣味の範囲では、今年はJR北海道が良くも悪くも話題の中心だったと感じます。北海道新幹線開業という明るい話題もありましたが、本州との夜行列車の廃止や赤字ローカル線問題、台風による被災や留萌線の一部廃止など暗い話題のほうが多く巷を賑わせました。今年はこのブログでも取り上げる回数も多かったと思います。
急行「はまなす」は今年3月のダイヤ改正で廃止となりました。運転区間を道内に短縮して、北海道新幹線の始発・終電に接続する列車として残るのかな?と思っていましたが、案外あっさり廃止になってしまいました。JR北海道がこのままでは3年後には資金繰りがショートすると言われている現状では多くは望めないのかもしれません。
「はまなす」はいろいろな意味でJRグループ最後の列車でした。ざっと挙げるだけでも…
- 最後の普通急行列車
- 最後の客車列車
- 最後の夜行列車(≠寝台列車)
- 最後の開放式寝台を連結した列車
- 最後の機関車交換を行う旅客列車
- 最後のED79牽引列車
もちろん単発モノの臨時列車や貨物列車・団体専用列車は除きますが、これだけの「最後」を背負った列車でした。
最終日の「はまなす」は3月21日に運転されました。ダイヤ改正は3月26日でしたが、3月22~25日は青函トンネルを在来線から新幹線に切り替える工事があり全面運休だったため、最終運転は札幌発が3月20日、青森発が翌3月21日となりました。
私は3月21日の青森発に乗るべく、久々に駅の窓口で10時打ちをお願いしました。JR東日本の首都圏の駅では事前受付を終了した駅がほとんどで、「はまなす」は「えきねっと」予約の取り扱い対象外だったので、自分で駅の窓口に並びました。
駅員氏が一通り入力を終えて、時報に合わせて「発信」ボタンを押しました。満席であればすぐ画面にNOと表示されるところですが、反応がありませんでした。「取れたな」と駅員氏がつぶやいた数秒後に無事発券されました。希望する列車の指定券が取れた場合は嬉しいもんですが、目の前で10時打ちで取れたときはまた格別です。
通常の「はまなす」は7両編成で自由席がありましたが、3月21日の運転に限っては全車指定席の11両編成で運転されました。なので、8号車指定席という珍しい指定券になっています。
まず、青森駅に入ってきた「はまなす」はED79-14と13が重連となっていました。翌日には青函トンネルを通れなくなるため、最後まで青森に残っていたED79を北海道に返却するためだと思われます。私はED79重連の「はまなす」は初めて見ました。
(青森駅)
機関車付近は入場制限していて、交代で撮影できるようになっていました。日中から場所取りでホームに置かれていた三脚は撤去されたそうです。それでもものすごい混雑で、この一枚を撮るのがやっとでした。以前は、対岸の青い森鉄道のホームで編成写真がきれいに撮れましたが、いつの間にか立ち入り禁止になっていてそれは叶いませんでした。それは最終日でも同じでした。青い森鉄道も最終日ぐらいは空気を読んで欲しかったんですが。
こういう最終日の列車は指定券だけ買って乗らない人も多いんですが、「はまなす」については座席はほぼ埋まっていたように見えました。指定が取れずに強行乗車していた輩もいたようです。
(函館駅)
青函トンネルを抜けて、函館駅に到着すると機関車の交換がありました。DD51-1093と1140とこちらも重連となりました。かつては北海道内でDD51が牽引した客車列車は多数ありましたが、ついにこの「はまなす」でその歴史に幕を閉じることになりました。
なお、乗客のほとんどが外に出て機関車の交換シーンを撮影していたため、函館駅で座席の向きがほぼ進行方向向きに転換されていました。普段だったら熟睡中の人は座席の向きを変えませんが、乗客のほとんどが函館駅で起きていたため発生した珍事です。
この日の晩はなかなか眠れませんでした。噴火湾の漁火や苫小牧の工場群を眺めながらほぼずっと起きていました。久々に列車から眺める朝焼けを楽しみました。
(札幌到着…)
そして、列車は定刻に札幌駅に到着しました。もう少し長く乗っていたいなと思う時に限って、あっさり定刻で着いてしまうものです。感慨に浸るまもなく乗り換えを急ぎました。
最後に札幌駅の一つ先の桑園駅に先回りして札幌運転所に回送される「はまなす」を撮影しました。これが最後の回送列車です。影がかかってしまいイマイチな写真ですが、DD51の重連に「はまなす」の長大編成が連結されているのは記録できていると思います。
私は客車世代ではありませんが、急行「ちくま」や「だいせん」など夜行の客車急行に乗ることは何度かありました。風前の灯ながらこれまで細々と続いてきた客車や急行列車の歴史が、ついさっきまで乗っていた「はまなす」で終わったかと思うと、なんだか感慨深いものがありました。この写真を撮り終えて桑園駅を後にする時に「いろいろ終わったなぁ…」としみじみ感じました。
この記事が今年最後の記事になります。今年実際にお会いした方何人かには「ブログは今年で止めるつもりです」と宣言していたんですが、案外ダラダラと続いてしまいました。仕事がシビアな時ほど、趣味での息抜きは大切だなと実感しました。
とりあえず来年も続きますが、続く限りは今後もご贔屓に…。
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