災害不通時の２枚きっぷ

災害不通時の２枚きっぷ

　一昨年７月の豪雨災害により、豊肥本線は熊本～大分県境を中心に甚大な被害を蒙り、丸一年以上不通になりました。昨年８月４日に最後まで不通だった宮地～豊後竹田間が復旧し、全線再開となりました。

　その間、豊肥本線の特急「九州横断特急」は不通区間を挟んで人吉・熊本～宮地間、豊後竹田～別府間それぞれで運転されていました。不通区間は代行バスを利用する必要があったため、大分～熊本間の往来は非常に不便な状況でした。

　その救済として発売されたのが熊本～大分・別府間の「九州新幹線２枚きっぷ」です。「九州新幹線２枚きっぷ」は他の区間で発売されているきっぷですが、熊本～大分・別府間の設定はなく、豊肥本線が不通になって急遽設定されました。その名の通り、熊本～久留米間は九州新幹線経由で、久留米から（まで）は久大本線経由で利用できました。

　イレギュラー設定だったので、ＪＲ九州のネット予約では購入できませんでした。また、「九州新幹線２枚きっぷ」は全体的に割引が渋いきっぷですが、この区間については豊肥本線廻りの救済という側面もあってか、通常であれば特急料金込みで片道７０００円を超えるものが２枚で８５００円と４割引近い安さで発売されました。豊肥本線経由の「２枚きっぷ」が６５００円なので、そちらと価格差が出過ぎないような配慮もあったのかもしれません。

　このきっぷは豊肥本線再開前日の昨年８月３日で発売終了しています。それ以降も有効期間内であれば経由通り使えました。