いせ
▼種別:急行
▼運転区間:名古屋~伊勢市
昨年の伊勢神宮の式年遷宮に合わせて、10月より名古屋~伊勢市間で急行「いせ」号が運転されています。普通車・グリーン車を連結した全車指定席となっていて、10・11月は毎日運転で、それ以降は週末を中心とした運転になっています。
名古屋~伊勢志摩の鉄道輸送は近鉄優位です。国鉄時代と比べてJRも頑張っているとは思いますが、近鉄との差を少し詰めたという程度です。ただし、JRは名古屋を接続とした遠方からの利用客を取り込むには有利です。乗車券は通しで買うと安くなりますし、名古屋駅の新幹線ホームと関西線ホームは隣接していて乗換には便利です。
車両は特急「南紀」と同じJR東海名古屋車両区のキハ85系です。キハ85系が参宮線に乗り入れることは珍しく、営業運転したのは記憶にありません。また、シール貼りながらヘッドマークも用意されていました。
ダイヤは夏まで運転されていた臨時の快速「みえ」と同じでした。臨時快速列車と同じダイヤだと定期快速列車より足が遅いことになります。私が利用した昨年秋の上り列車では以下のようなダイヤでした。
伊勢市 津 名古屋 伊勢市~名古屋所要時間
みえ18号 15:26 → 16:02 → 17:08 1時間42分
いせ 15:38 → 16:26 → 17:44 2時間06分
みえ20号 16:22 → 17:01 → 18:05 1時間43分
ちなみに近鉄特急は同区間を1時間20~30分程度で結んでいます。最近臨時で運転されるJR東海の急行列車は、特急型車両を使用した快速列車並みかそれ以下のスピードの列車と明確にカテゴライズされている印象があります。
肝心の乗車率ですが、12分前の「みえ18号」が指定が埋まり、立ち客が出るほど混雑していたのに対し、「いせ」はせいぜい6~7割しか乗っていませんでした。遅い上に急行料金+指定席料金が上乗せになるのが嫌われたのかもしれません。この列車は今年に入ってからも継続して運転されていましたが、3月でいったん終了するようです。
◆ ◆ ボヤキ ◆ ◆
きっぷの日付を見てわかるとおり、私は11月上旬の3連休中日に嫁両親を連れて伊勢に行きました。伊勢神宮の観光客は初詣の時以上の人・人・人でびっくりしました。その日はちょうど伊勢で大学駅伝が開催されていました。20年に一度の式年遷宮の年の秋の三連休の中日で、観光客がごった返すのが容易に想像がつきます。それなのに日程・時間やコースを変えることもなく例年通り漫然と大学駅伝を開催し、日中の3時間主要道路を封鎖しバスを全便運休させる無神経ぶりには呆れました。
伊勢は「お伊勢参り」の江戸時代からの伝統を誇る日本有数の観光地であるせいか、放っておいても観光客が来てくれる状態に慣れきっていて、こういう不手際一つとっても観光客に来て楽しんでもらおうという意識が希薄だと感じます。それでは観光客はまた来てくれません。伊勢市駅前は遷宮に合わせてちょっと小ぎれいにはなりましたが、以前の寂れっぷりがそれを物語っていると思います。
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