特定特急券の妙
身延線(富士~甲府間)では以下のような特急料金が設定されています。
- 30Kmまで →310円(特定特急料金)
- 31Km~50Km→630円(特定特急料金)
- 51Km以上 →1150円(A特急料金と同額)
近距離利用促進のため50km以下の自由席特急料金は特定料金が適用されて割安になっています。51Kmを超える場合や指定席を利用した場合はA特急料金が適用されます。平成7年に身延線の優等列車は急行「富士川」から特急「ふじかわ」に格上げされましたが、30Km以下に限っては急行列車時代より安くなっています。
その料金の「すき間」で面白い現象を見つけました。身延線内の営業キロは以下のような感じです。
甲府
甲斐岩間 28.1 甲斐岩間
内船 54.3 26.2 内船
富士宮 77.7 49.6 23.4
甲府~内船間の特急料金は普通に買うと1150円しますが、この区間を甲斐岩間駅で区切って2枚の特急券にしてみるといずれも30Km以下の310円で収まり、620円で済んでしまいます。同様にして甲府~富士宮間も1150円するところを、甲斐岩間・内船で区切って3枚にすると930円で済みます。身延線に限らず探せばこういう区間はまだまだありそうです。
(1枚目)
(2枚目)
(3枚目)
これらのきっぷは先日私が使ってきたものです。甲斐岩間駅では降りず、甲府~内船間と内船~富士宮間で乗車しました。甲府~内船間での車内改札の際に乗車券と特急券2枚を見せたところ、一瞬戸惑いの表情を浮かべましたが「内船までですね?」と確認されてきっぷを返されました。規則上は問題ないんですが、JRとしては想定外で推奨しない使い方だとは思います。
ところで、内船駅はちょっと変わった読み方をします。所在地の山梨県南部町は平成15年に旧南部町と富沢町が合併した町で、内船駅は旧南部町の中心駅です。見てのとおりコンクリート造りで車寄せや待合室がある立派な駅ですが、平成11年に無人化されています。立派な駅を持て余し気味でもったいない感じがしてなりません。1枚目と2枚目の赤い×は私がきっぷをもらおうとした際に車掌が無効印代わりに付けたものです。
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