ひかり482号
◆種別:新幹線
◆区間:岡山→東京
(新大阪駅)
昨日の「こだま727号」を以って300系新幹線の定期運転が終了しました。残るはダイヤ改正前日の3月16日にJR東海・JR西日本それぞれで運転されるさよなら列車のみで、ダイヤ改正前にきれいに姿を消してしまう予定です。
JR東海の300系(J編成)は一足早い2月1日で運転終了していて、昨日まで運転されていたのはJR西日本の300系(F編成)でした。博多総合車両所を拠点に最末期のF編成は以下のような運用が組まれていました。
博多 岡山 新大阪 三島 東京
こだま734 7:10 → 10:53
ひかり482 16:26 → 17:40 → 19:55 → 20:40
こだま807 21:51 ← 20:56
こだま697 9:53 ← 6:50
こだま650 10:50 → 13:49 → 14:47
ひかり477 19:17 ← 18:05 ← 15:48 ← 15:03
こだま727 9:03 ← 6:50
3日間を一運用として、途中三島車両所と岡山支所で一泊してまた博多総合車両所へ戻るようになっていました。JR西日本の編成でありながら、JR東海での走行距離の方が多いのは面白いです。こういった運用の一つ一つの複合体で膨大な本数の列車を動かし、車両のやり繰りや会社間の走行距離まで調整しているわけですから、よく考えられているなぁ…と感心します。
(相生駅)
300系は20年前の運転初日に乗っていたりします。でも、100系と比べると2階建て車両もグリーン個室も食堂車・カフェテリアもなくなってしまい、個人的には「新しくてスピードは速くなったんだろうけど、なんだかなぁ…」と感じる車両でもありました。東海道新幹線のスピードアップと大量輸送が使命だったので当たり前な面はありますが、良く言えば「機能的」で、悪く言えば「味気ない」といった感じです。
ビジネスで頻繁に利用する人にとっては車内の設備よりもスピードが速くなることの方が重要でしょうし、人によって捉え方はそれぞれだと思います。ただ、私の中では当初の感じた印象は今でも変わりません。
昨年10月にJR東海・JR西日本両社から3月のダイヤ改正での300系の引退が発表されました。改めて時刻表を調べてみると、300系の運用がかなり減っていることに気付きました。年明け時点で「のぞみ」の定期運用は既になく、「ひかり」が4往復に「こだま」が4.5往復にまで減っていました。もうなくなってしまうのであれば、東海道新幹線を利用する際は300系に合わせて乗ってみようかなと思いました。
私が新幹線に乗って遠出をするのは土日に限られますが、休日に首都圏から出かけるには最末期の300系のダイヤはちょっと使いづらいものでした。逆に上りの「ひかり482号」は夕方に旅先を出て、遅すぎない時間に首都圏に戻れるので使いやすい列車でした。それに「ひかり」だったので「のぞみ」との時間差も気になるほどではありませんでした。
2か月弱の間に「ひかり482号」に乗った記録です。5回も乗ったのは我ながら「やり過ぎ」な感もありますが、最後の最後なのでまぁよしとしましょう。何気に全部乗車区間が違っていたりします。
(新大阪駅)
JR化以降の100系→300系→700系→N700系と東海道新幹線の系譜を見ていくと、100系から300系に世代交代したタイミングで、移動中の快適さや楽しみよりもスピードや大量輸送が重視される時代になったように感じます。300系以降の700系・N700系は300系の流れを引き継いでいると言ってよいでしょう。
300系の真価が発揮されたのは100系が東海道新幹線から姿を消した平成15年10月の白紙ダイヤ改正以降だと思います。東海道新幹線を走る車両が270Km出せる車両で統一され、ダイヤの柔軟性が高まりました。「ひかり」主体のダイヤから「のぞみ」を大増発させて輸送量を飛躍的に増やしました。そんな東海道新幹線高速化の功労者(車)の300系が登場からちょうど20年、真価を発揮するようになって9年で姿を消すのはちょっと短かったように感じます。
(京都駅)
写真はすべて今年に入ってから撮影した「ひかり482号」のものです。この記事を書くにあたり300系の写真を探してみましたが、ほとんどないことに気付いたので慌てて撮り貯めたものです。いつまでもあると思っているとこういうことになりますから、駅撮りでも普段から記録しておく習慣をつけておきたいものです。
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