やまびこ455号
◆種別:新幹線
◆区間:東京→福島
3月11日の東日本大震災発生以来、不通になっていた東北新幹線が今日ようやく全線で運転を再開します。地震による新幹線の被害箇所は1200箇所にも及び、復旧には相当時間がかかることが見込まれましたが、きっちりGWに間に合わせてきました。復旧作業最中の4月7日の余震で再度不通になった区間はあったので、決して順調ではなかったようですが、以下のような感じで徐々に復旧が進んでいきました。
3月11日:本震発生・全線不通
3月15日:東京~那須塩原再開
3月18日:盛岡~秋田再開
3月22日:盛岡~新青森再開
3月31日:福島~新庄再開
4月 7日:一ノ関~盛岡再開も同日夜の余震で再度一ノ関以北が不通
4月 9日:盛岡~秋田再開
4月12日:那須塩原~福島再開
4月13日:盛岡~新青森再開
4月23日:一ノ関~盛岡再開
4月25日:福島~仙台再開
4月29日:仙台~一ノ関再開(これで全線再開)
これだけの被害だとJR東日本の会社規模を以ってしても厳しく、新幹線を保有するJR東海やJR西日本からも人的支援があったようです。緑色の会社とオレンジ色の会社は普段から不仲だと言われていますが、こういう時に助け合えるのはJRグループとしての良さなのかなと思いました。
4月12日の那須塩原~福島間の再開の際には既に開通していた山形新幹線と東北新幹線の直通運転も再開されました。「つばさ」は東北新幹線内は速達タイプとして運転され、グリーン車・指定席の設定がありました。片や東北新幹線内で完結する「やまびこ」・「なすの」は各駅停車タイプのグリーン車以外の普通車は全て自由席で運転されました。
(東京駅発車サイン)
東京駅の発車案内サインです。「やまびこ455号」は福島行となっています。東北新幹線で400番台の号数が使われたのは私の記憶にありません。また、「福島行」という行き先や「やまびこ」なのに「グリーン車以外自由席」という表示は非常に珍しいものだと思います。
このきっぷは先週末、私が福島の友人を訪ねた際に使ったものです。珍しくグリーン車を利用しました。日曜早朝の割に乗車率は良好で、官庁の作業着を着た人や大きなテレビカメラを持った某キー局のスタッフも乗っていました。
運転再開はしたものの那須塩原以北は徐行運転をしていたため、所要時間は少し多めにかかっています。東京~福島間が2時間1分というのは時刻表を見る限りでは定期列車とさほど変わらないようにみえますが、途中駅での退避なしでこれだけかかっているため、定期列車よりはやはり時間を要しています。
車窓はあまり変わらないようにみえましたが、防音壁のコンクリートがところどころ真新しい箇所があり、修復の痕跡が見て取れます。また、屋根瓦が落ちてブルーシートを石で押さえている家も散見されました。あと、何箇所か突き上げるような揺れがあったように思えました。
福島止まりの東北新幹線は普段使われていない11番線に到着しました。11番線には停止位置目標がないため、仮設のものが立てられていました(クリックすると拡大します)。福島駅に到着した人の多くは仙台行の快速列車に乗り換えて行きました。
(485系「あかべぇ」)
(E721系8両)
仙台方面への快速列車は定期の「仙台シティラビット」に加え、「新幹線リレー号」が運転されていました。「新幹線リレー号」には磐越西線で走っている485系「あかべぇ」や仙台空港乗り入れ専用車のE721系(500番台)といった普段福島駅に乗り入れない車両が充当されており、カメラを構えていた人もちらほら見かけました。この翌日には東北新幹線・福島~仙台間が再開され、これらの車両の福島駅への乗り入れは終了しました。
東北新幹線が全線再開することによって、首都圏と東北地方との人の往来が活発になり被災地復興への弾みとなることでしょう。新幹線には人だけでなく、被災地の人の夢や希望を運ぶ役割にも期待したいところです。
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