船小屋
九州新幹線の全線開業前に気になっている駅がありました。鹿児島線・船小屋駅です。この駅は500mほど南に移転し、筑後船小屋駅という新幹線併設駅になります。船小屋駅は福岡県筑後市にある駅ですが、市の中心駅は隣の羽犬塚駅です。羽犬塚駅は特急「リレーつばめ」や「有明」も停車します。市の活性化も期待できる新幹線駅を造るのになぜ羽犬塚駅ではなく外れの船小屋駅としたのか…。
まずは現地を見てみたいと思い、羽犬塚駅と船小屋駅へ行ってみることにしました。いずれも初めて降りる駅です。このきっぷの発駅の日豊線・朽網(くさみ)駅は北九州空港最寄駅です。飛行機で北九州へ飛んで、朽網駅から列車で移動しました。
まずは羽犬塚駅です。国鉄タイプの駅名板が現役なのが素敵ですが、船小屋駅改称とともに御役御免になるでしょう。駅前ロータリーが若干手狭な感はありましたが、既設駅舎の真上に新幹線高架が通っていて、ここに新幹線駅を造ることに何ら支障はないように見えました。ただ、私なりに見てここに設置されなかった要因の一つとして、隣の久留米駅と近すぎた(12Km・在来線快速でも10分弱)というのはあるかなと感じました。
翻って船小屋駅です。小ぢんまりとした待合室があるだけの無人駅です。駅名板もたいそうな錆びっぷりです。特急はおろか、快速列車ですら通過します。周辺は田んぼや畑の中に住宅が点在する程度で閑散としていました。逆にその分土地は余っているようで、少し離れた先には巨大な筑後船小屋駅が見えました。ホームには「船小屋炭酸温泉」という案内がありましたが、地図を見る限り船小屋温泉までは離れていて、バス路線もなさげだったので、アクセス駅としては使えないなと思いました。
きっぷは自動券売機でこんな感じのありがちなものが発売されています。無人駅を表す○ムの位置がここにあるきっぷは初めて見ました。「下車前途無効」の右側にあるものが大多数です。
無人駅から新幹線併設駅になった例として、東北新幹線・新青森駅や山形新幹線・高畠駅が挙げられます。船小屋駅もその一例に加わることになります。以前週刊誌で読んだんですが、筑後船小屋駅はもともと建設予定になく、運輸大臣まで務めた当地選出の自民党某大物議員が政治力で以って造らせた「政治駅」であるという記事がありました。今どきそんなことが行われているのに呆れてしまいましたが、実際に羽犬塚駅と船小屋駅を見比べてみて、政治駅説に確信を深める結果となりました。
そんな筑後船小屋駅は今日開業します。
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