キハ52ありがとう号
◆種別:快速
◆運転区間:糸魚川~南小谷
大糸線のキハ52系は3月13日のダイヤ改正で定期運行を終了しました。3月の3連休にキハ52系のさよなら運転として、快速「キハ52ありがとう」号が糸魚川~南小谷間の一往復設定されました。車両は糸魚川で活躍していた3両全部が編成を組んで運転されました。3両全部が編成を組んで出動するのは定期運転ではほとんど見られなかったことです。
(キハ52-115)
(キハ52-125)
(キハ52-156)
キハ52系は昭和32年より製造されていたキハ20系の勾配区間用の改良型気動車で、昭和33年から製造されました。大糸線に残っていた3両はさらに改良された後期型で、昭和40~41年に製造されました。大糸線に入ってきたのは意外や最近で平成5年のことです。それまでは主にキハ58系が走っていました。
キハ52系自体がJR西日本のこの3両しか残っていないため、指定券を取るのは激戦でした。当然のごとく時完売し、オークション市場でもなかなか値崩れしませんでした。どうやら団体枠が入っていなかったか少なかったため、キャンセルが出にくいという読みがあったのかもしれません。
私が座った席は往復ともロングシート席でした。車内は概ね埋まっていましたが、完全に満席ということもありませんでした。私の隣は往復ともいませんでした。むしろ連休初日で雪が融けて少なくなりつつあったため、乗り鉄よりも撮り鉄の方が目立ちました。撮影スポットには何十人もカメラを構えていました。また、南小谷駅ではJR東日本長野支社による物販があり、記念サボや記念弁当が売られていて、全てきれいに売り切れる盛況ぶりでした。JR東日本とキハ52系の運転に直接関係はありませんが、うまく便乗した感です。
定期運用を終えたキハ52系3両のうち最若番の115は津山鉄道部で保存されることが決まり、この運転終了後に津山へ回送されました。残る2両は廃車になる予定です。そのため、3両揃いで走るのは最後の機会という宣伝文句が付きました。なお、運転直前の3月15日に「地元の方々の要望に応えて」とのことで、GWや夏休み期間にキハ52系2両を使って臨時列車を走らせることが発表されました。これで最後だと思ってこの列車に乗ろうとした人は肩透かしだったかもしれません。先のGWに運転された快速「ジオパーク」号は津山に行かなかった廃車予備軍の2両が使われました。
(糸魚川駅)
後継として投入されたのは上の写真のキハ120系です。姫新線への新車投入で余剰となり、岡山電車区(気動車センター)から転入し、岡山時代のままのカラーリングで走っています。また古い国鉄型の車両が飛ばされてくるかとも思っていたんですが、大糸線はJR西日本北陸地区の非電化区間の飛び地ですから、新しくてメンテナンスに手のかからないキハ120系に白羽の矢が立ったんだと思われます。味気ない車両ではありますが、冷暖房完備でトイレ付いているので、サービス向上にはなっています。
【雑感】
3日間の運転予定のうち、21日は「春の嵐」のため運休になっていました。私は当初21日に行く予定にしていたのを仕事の都合で20日に変更していたため運よく難を逃れました。列車の性格上、運休が決まったときに騒ぎ出したヲタがいたんでしょうが、天候による運休は仕方がないことだと思います。運が悪かったと思って諦める以外ありません。その伏線には同じ金沢支社で6日前に風規制を誤認して、運転見合わせにすべきところを徐行運転で運転再開してしまったというチョンボがありました。平成17年暮れの羽越線転覆事故のこともあり、JR全体が風規制にはことさら慎重になっている感があります。
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