高低差108mを4分で登って火口(山頂駅)に到着。硫黄臭いにおいが漂う。標高は1258mとある。気温は100m登ると0.6℃下がるので、単純計算で平地よりも7.5℃は気温が低いということになる。どうりで寒いわけだ…。
観光客の安全を確保するために、火山ガス(二酸化硫黄:SO2)濃度によって色の違うパトランプが点灯するようになっている。このときは黄色のランプが点灯中。黄色は「喘息の方は警告 一般の方は注意」だそう。そもそも喘息の人は来ないほうが無難だろう。赤くなると濃度が危険域に達したとのことでみな下山しなければならない。
火口へ向かう道。草木の類は生えてなくて岩や地面がむき出しで荒涼とした雰囲気が漂う。急な噴火活動が起こった時に避難できるようなドーム型のシェルターも何箇所かにある。一時的な避難ならまだしも、溶岩が流れるような噴火や火砕流が起こった場合にはひとたまりもない。
中岳火口に到着。高校の修学旅行のときに一度は見ているが、あまりの迫力にしばし圧倒される。風の流れで噴煙の向きが頻繁に変わり、噴煙に包まれることもある。風向きによっては火口を見ることができるが、風がこちら向きに吹いていたので見ることはできなかった。山肌には折り重なった地層がくっきり見える。
火口付近で売られていた硫黄の塊。アリやムカデの駆除に使えるらしいが効能は疑問。これが学校用教材に使えるのかはさらに疑問。ネタとしては面白いと思うけど。お値段は粉末の袋は500円から、塊は1000円から大きいものになると3000円!機内持ち込みはできないという注意書きもある。
寒さと戦いながら火口が見えるようになるまで風向きが変わるのを待った。待つこと約15分。緑色の液体から噴煙が出ているのが確認できた。おそらく粘土が混じった熱湯のような状態なんだろう。ここで別府温泉の地獄めぐりを思い出した。阿蘇と別府は直線距離ではさほど離れていない。
こちらは火山活動していない第七火口。断層や隆起が起こった地層がはっきり見える。太古の昔はここは海だったそうで、阿蘇山が大噴火を起こし今の九州が形成されたとか。高校時代にまじめに地学を勉強していればそのへんのことも少しは理解が深まったのだが、早い段階で「捨てて」しまったため結局のところよくわからずじまい。
第七火口そばにあった「あその石」無人販売所。ボケ防止やチャンスを呼ぶ石などという意味不明なものも売っていた。さきほど売っていた天然硫黄もあった。一つ150円から。あやしすぎる。
シェルターを近くで撮ったもの。コンクリート製の頑丈な構造物だが、火山ガスによる酸性雨のため表面は溶けていて、鉄骨は剥き出しになって錆びている。 噴石や火山弾は防げても溶岩や火砕流は防げないように思う。
(阿蘇編まだ終わらず。下山しつづく)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。