数分歩いてコウモリ穴の入り口に到着。コウモリの出入りに支障がないよう鉄格子状になっている。なんだか洞窟牢の入り口に見えなくもない。富士山ろくにはこういった溶岩洞穴が無数にあって、コウモリ穴は総延長360mあって最大規模。
内部は滑りやすく湿っていて湿度はほぼ100%。冬でも暖かくて湿気があるのでコウモリが住み着いたらしい。 頭上は低く、這って歩かなければいけないところも。手提げカバンを持ってきたことを激しく後悔。頭をぶつけること数度でヘルメットなしでは危なくてとても歩けない。ヘルメットを貸し出された意味をここで理解した。
結局内部滞在時間は20分。ドラキュラ城のごとくコウモリが飛び交っているところが見られるかと思ったが、コウモリに遭遇することはなかった。本来夜行性である上に、最近ではこの洞穴をねぐらとするコウモリが激減しているとのこと。
出口近くにひっそりと建っていた石碑。コウモリ穴は天然記念物だそう。そう聞くとコウモリには遭遇できなくてもありがたみを感じてしまう。
河口湖へ戻るレトロバスまではまだ1時間以上あったので、歩いて行けそうな竜宮洞穴へ行くことにした。この辺りは自殺の名所で有名な青木ヶ原樹海の周縁部だそう。遊歩道に近い辺りには物騒なものが転がっていないだろうけど、奥へ行ったらわからないと思わせる不気味な雰囲気。
竜宮洞穴への入り口の鳥居。鳥居の「剗海」神社は「せのうみ」と読むらしい。鳥居脇の看板は朽ちていて用を成していない。私が写真を撮っている背後は普通の住宅街だが、鳥居の向こうには別の世界のような不気味さが漂う。
竜宮洞穴へはずっと山道が続く。自分の足音以外の人工的な音は一切聞こえず、鳥のさえずりや風で木が鳴らされる音ぐらい。静かではないが静かといった感。ひたすら歩くものの、途中に案内の看板が一切ないので本当に道が合っているか不安になる。青木ヶ原樹海で迷子になるなんてシャレにならない。それに時期的に冬眠明けの熊に遭遇しないかも不安になる。
15分だか20分だか歩いたところで、2人の人影が見えてまずは一安心。そばには竜宮洞穴を示す看板があり、道が間違っていなかったことでも安心。剗海神社は水の神「豊玉姫命」を祀っているそう。看板の足和田村は合併して富士河口湖町となっている。
(まだ続く)
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