軽井沢から長野へは新幹線で約30分。軽井沢で降りた人は多かったが、乗る人も案外多かった。長野駅には冬季オリンピックが開催されたときのロゴマークが飾られていた。1998年なのでもう12年も経つのだが…。以前は冬季オリンピックも夏季オリンピックと同様に4の倍数年に開催されていたが、長野開催から夏季オリンピックの2年後の開催に変更となり、以後夏季と冬季が2年交互で開催されるようになっている。
長野駅からは善光寺へ向かう。駅前から善光寺大門までバスが出ていて、運賃はたった100円。善光寺大門へ行く「びんずる号」の他に善光寺大門を通る定期の路線バスでも100円。このバスができる前は駅から善光寺まで歩いていたが、今では100円ケチらずバスに乗るようになった。
10分ほどで善光寺大門へ到着。昨年5月に御開帳に行っているので約1年ぶり。バスを降りて参道を登る最中に目に付くのがこの洋館。参道の建物は和風がほとんどの中、明らかに異彩を放っている。玄関には「御本陣藤屋旅館」とあるように元は旅館。現在は旅館としてではなく、結婚式場やレストランとして使われている模様。大正13年に建築され、国登録有形文化財に指定されている由緒ある建物。表はコンクリート造りだが、実は木造らしい。
石畳の参道を歩くと仁王門が見える。江戸時代に地震で焼失したものを大正7年に再建されたもの。建って100年も経っていないので文化財指定はない。全国の信徒からの寄付により再建されたそう。7年後に建築された藤屋旅館のほうが文化財指定されている。
仁王門から山門へ至る参道。両脇には土産物屋や旅館が軒を連ねている。今まで意識したことはなかったが、この参道の石畳は江戸時代に信徒から寄進されたもので、長野市文化財に指定されているらしい。参拝者はみな文化財を踏みつけているということになる…のかな。
善光寺山門。「三門」という表記でもよいらしい。高さ・間口とも20mで奥行き8mの巨大な建物。1750年に建築された重要文化財。近くで見るとしばし迫力に圧倒される。楼上の「善光寺」という額はやんごとなき方の御筆だそうな。
朱印帳に朱印をいただいてから、善光寺本堂で参拝。1707年に建築され、国宝に指定されている。屋根の金色の装飾が特徴的。撮影不可なので載せてはいないが、本堂に上がって参拝することもできる。別料金を払えばご本尊を見ることもできる。何年か前にご本尊は拝んでいるので今回はパス。
本堂の両脇や裏手には桜が咲いていた。ちょっとピークは過ぎたように見えなくもないが、まだ鑑賞には耐えられるレベル。本堂を参拝しただけで満足して引き返してしまう人が多く、ここまで見に来る人は多くはなかった。今年初めてソメイヨシノの満開をじっくり見た。
側溝に溜まる散った桜の花びら。これだけきれいにびっしり溜まっているところはそうそう見られないと思い激写したが、側溝を嬉々として撮影する私の姿を見た近くのおばちゃんが不審がっていた。のぞけばわかる。
少々歩き疲れたので参道脇の店で休憩。長野名物おやきと抹茶のセット。われながらおばさんくさい。おやきは中身が何種類かあるが、いつも切り干し大根味にすることに決めている。野沢菜はシャキシャキとした歯ごたえが好きなので、おやきの具材として加熱されしんなりしてしまった状態ではあまり魅力を感じない。
18時の夕飯までには松本郊外にある温泉宿に「出頭」するよう厳命されていたので、喫茶タイムもほどほどにして長野駅から特急「しなの」に乗って松本へ向かった。自分一人の地下活動であれば何事も気楽だが、親戚付き合いだからこういう束縛も仕方がない…そう自分に言い聞かせた。
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