ちょうど前夜に夜桜を激写したあたり。覆いかぶさるように咲く様もいいが、空と一体に広がる様子も悪くない。
「展勝地」の看板の前で一枚。世間一般には「北上展勝地」の名称で知れ渡っているが、実態は市立公園。春の桜ばかりではなく、秋の紅葉も楽しめるそうな。
桜並木から脇に入ったところに「一山園」という一角がある。「一山」とは原敬の俳号。北上展勝地は「和賀展勝地」として大正10年に開園した。その際に盛岡出身で時の宰相であった原敬の多大な助力があったとのことで、その報恩のため原敬の句碑のある一体を「一山園」と名づけたそう。
昭和29年に和賀町が北上市に移行したことに伴い、「北上市立公園展勝地」となり現在に至る。ちなみに「展勝地」とは造語で、「展望のよい名勝・景勝地」を略したものだそう。
一山園の周囲だけしだれ桜が植えられていて、桜並木とは枝ぶりや花の色が明らかに違う。半月前に大阪の造幣局で見たものよりもきれいだった。立派な大木でカメラに収まりきらなかった。
一山園から桜並木を裏側から写すような感じで撮ったもの。ちょうど菜の花が咲いていた。春らしい光景だが、桜並木の外側なので、ここに足を踏み入れる人は多くはなかった。
桜並木の終点にはSLが保存されている一角があった。普段は柵で囲って非公開だそうだが、桜の期間中だけこうして中に入ることができるらしい。このC58は昭和18年に製造され、岩手・宮城県を中心に昭和47年まで走った。埼玉県の秩父鉄道では同型機が「パレオエクスプレス」として走っている。
なんかヘンな車両だと思ったらラッセル車。しかし、自走できるわけではなく後ろから機関車で押して、圧搾空気を送り込むことによって排雪板を広げて排雪した。昭和23年から51年まで北上線で使用されたそう。
展勝地の桜並木は2Kmにも及び、その並木を端から端まで往復した。普段運動不足気味だったのでいい運動になった。心地よい疲労感を感じつつ、行きと同じ渡し舟に乗って対岸の北上駅へ戻った。
(北上編おわり。平泉編へつづく)
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