実は長崎の稲佐山の夜景を見るため、島原へ向かう前に長崎駅の観光案内所でロープウェイ乗り場までの無料送迎バスを予約しておいた。無料送迎バスは市内各所のホテルから長崎駅前のバスターミナルを通って、ロープウェイ乗り場の淵神社駅に至る。観光案内所ではロープウェイの往復割引券も発売していたので同時に購入。往復1200円が960円になる。その代わり払戻不可。
今や少数派となってしまったハイパーサルーンの「かもめ」。接続が良かったので諫早からの帰りも特急に乗ったが、私の乗った「かもめ」はまたも25分遅れた。これで「かもめ」は時間通りに走らないと私の頭にインプットされた。
送迎バスまでは時間があったので、駅から歩いてすぐの「二十六聖人像」を見学。像の部分を遠くから見ると十字架の形になっている。豊臣秀吉のキリシタン禁教令に反した捕らえられた20人の日本人と6人の外国人宣教師が1597年にこの地で処刑された。この26人は後にローマ教皇により「聖人」に列せられ、「二十六聖人」となる。薄暗くなった闇でライトアップされているので少々不気味。
長崎の一番の繁華街は思案橋周辺であり、駅前は驚くほど飲食店が少ない。「二十六聖人像」近くで超アヤシイ雰囲気を醸し出していたちゃんぽん屋。独特の雰囲気に惹かれてしまい、夜景を見に行ってから食べに行こうと思い、一旦はその場を後にした。
送迎バス乗り場は長崎駅の片隅にある。1日4本で便指定になる。帰りの便も行きと同じになるので、稲佐山での滞在時間も自ずと制限されてしまうのがちと難点。送迎バスは途中のホテルから多くの人を乗せていたので立つ羽目に。長崎駅から豪快に飛ばして数分でロープウェイ麓の淵神社前に到着。
チケット売場には多くの人が並んでいたので、予め仕込んでおいて正解。平時のロープウェイは15分に1本。333mの山頂まではわずか5分。登る最中にも輝く夜景が見えて車内が歓声に沸いた。
山頂から見た夜景。迫るような景色にしばし圧倒される。函館や神戸など長崎以外にも夜景を売りとする都市はあるが、長崎がそれらと明らかに違う点は三方が山に囲まれているので、夜景がより立体的に見えること。これは写真では伝わらない。
別のアングルから撮ったもの。三脚を持って行かず手持ちで撮ったため、きれいに撮るのは難しい。真ん中より左寄りの繁華街が長崎駅前で、ちょうど右方向に進んだあたりには中国から来た大型客船が停泊していた。
帰りのバスが決められていたので、少々名残惜しさを感じながらも早めに下りのロープウェイ乗り場へ戻った。GW初日とあって上りも下りも大混雑で、下へ降りるのにも30分要した。バスの発車時刻には数分遅れたが、遅れることを見越して下で待っていてくれた。
長崎駅まで戻ってさきほどのアヤシイちゃんぽん屋に行ったら既に閉まっていた。夜9時なら閉まることはないと思っていたが、旅をしているのに東京の感覚で物事を考えてはダメだと痛感した次第。
結局市電でホテル近くの思案橋まで戻り、その近辺で何か食べることにした。この旅行で初めて市電に乗った。新しい車両も多いが、乗ったのはレトロでいい感じの車両だった。
長崎の市電の車内にはこういった「経歴書」が見られる。鉄ヲタ的にはかなり熱い。名古屋の日本車輌で60年も前に製造された車両が遠く長崎の地で現役で働いていたのには、名古屋人として感慨深いものがあった。「長崎でこれからも頑張れよ~」と心の中で思った。
思案橋電停からほど近い「思案橋ラーメン」で遅めの夕食。店内には今をときめく福山雅治(長崎出身)のサインが何枚も飾ってあって、帰省するたびによく来ている店のようだ。行列ができていて、私のように店にカメラを向ける人も何人かいたので、半ば観光地と化しているのかもしれない。
名物メニューは福山雅治も大好きな「バクダンラーメン」というものだったが、得体が知れなかったのでパスして、普通にちゃんぽんめんと皿うどんと食べた。皿うどんは麺がパリパリでグッド。片やちゃんぽんめんはかなり微妙だった。今度行くときにはバクダンラーメンに挑戦してみたい。
腹を満たして満足してホテルへ戻った。そして、シャワーを浴びてほどなくぶっ倒れた。その日の携帯に付いている万歩計は2万歩を超えていた。
(長崎編おしまい。有田陶器市へ続く)
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