せっかく窓側席を押さえていたが、私が取っていた35Kは既に親子連れが占拠してくつろいでいた。力強く主張して排除してもよかったが、せっかく窓側にいる子供をどかすのは忍びなく思い、窓側を譲った。「そんなの当たり前」という表情をしていた親の不遜な態度が気に入らなかったが…。
GWとあって家族連れが多い。子供も多かったが、少しの時間も静かにできない子供がいて閉口。着陸の20分前からずっと大泣きしていた子供がいて、着陸態勢に入っているのに親のひざの上で大暴れして、CAに注意されていた。静かにできないのだったら飛行機には乗せないか、トランクに閉じ込めて荷物室に預けて欲しい。
私が乗ったエールフランス福岡行の飛行機は横風で左右に大きく揺れながら着陸。しかも15分遅れ。早起きの反動から半分ぐらい寝ていたので、直前まで遅れていることに気づかず…。離陸は珍しく待たされることなく時間通りできていたので、なおさら到着が遅れたのが不思議だった。
福岡空港から地下鉄で博多駅へ移動し、九州名物のド派手な特急列車に乗って折尾駅に到着。大分行きの特急だったが、自由席はさほど混んでいなかった。
2階の鹿児島線から1階の筑豊(若松)線に乗り換えるべく地下道へ。折尾駅は日本最古の立体交差駅で、明治24年に建設された当時の煉瓦通路が残っている。大正6年に建設されたルネサンス様式の素敵な駅舎が残っているが、途中下車できない乗車券だったので駅舎の外観を見るのは見送り。
折尾駅で発車を待つ筑豊(若松線)線の列車。ローカル線っぽい雰囲気が漂う。筑豊線は性格を三分する路線で、電化されて博多や小倉へ直通できるようになった「福北ゆたか線」の折尾~桂川と、非電化のまま取り残されたものの通勤・通学路線として機能する通称「若松線」の折尾~若松間と、1日9往復しかない閑散路線になってしまった通称「原田線」の桂川~原田間。日中は折尾駅を越えて若松線と福北ゆたか線に直通する列車はない。
若松線のホームの片隅にあった職員用(?)の理髪所。現在も利用者があるのか興味があるところ。一般客向けには駅構内の別の場所に1000円カットの店がある。掘っ立て小屋に木の囲いと看板というここだけ時代が止まってしまっているような雰囲気。
若松線に乗ってちょっとばかり大事な用事を済ませて、いざ門司港へ。旅の再開は鹿児島線・陣原駅から。
陣原駅は周辺人口の増加に伴って平成12年に開業した新しい駅。高架駅で眺めが良い。正面に見える山は皿倉山。北九州市を代表する山で標高622m。登ったことはないが夜景がきれいらしい。
陣原駅は普通列車しか停まらないが、快速列車に抜かれることなくゆっくり30分かけて門司港へ。乗ってきた普通列車と0哩ポスト+腕木信号機のモニュメント。モニュメントの文言によると明治24年にこの地より九州の鉄道の歴史が始まり、その100周年を記念して昭和47年に建てられたそうな。
門司港駅全景。この駅舎は大正3年にネオ・ルネサンス様式で建築された2代目で、駅舎では唯一国の重要文化財に指定されている。駅構内には戦前から残っている待合室や洗面所・手水鉢などがある。ただ、外壁が随所ではがれているなど見るからに老朽化が進んでいるため、近々大規模な補修工事が行われる模様。撮影しておくなら今のうち。それにしてもいつ見ても立派な駅舎。
(門司港編つづく)
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