博多から特急「リレーつばめ」で熊本に移動。熊本駅は博多駅と同様に新幹線駅の設置工事が進んでいた。
熊本駅から阿蘇へ移動すべく乗った臨時列車の「あそ1962」。もともとはキハ58系で、内外装を改造して「あそ1962」として運転されている。1962とはこの車両(キハ58-139)が1962(昭和37)年に製造されたのが由来。九州全域で走っていたキハ58系はこの車両を含め残りわずか。
床やテーブルは木が使用されている。車内には座席が一部撤去されていて、折りたたまずに自転車が積み込めるスペースが2両合わせて12台分ある。ただし、積み下ろしのできる駅には制限があって、持ち込み料金を支払う必要がある。
定刻どおりに熊本駅を発車したものの、あっという間に交換待ちの運転停車。その名も平成駅。平成11年に開業した新しい駅。豊肥本線の熊本側は宅地化が進んでいて、朝は高頻度で電車が運転されている。しかし、線路は単線のため臨時列車は定期列車の間を縫うように走らないといけない。
40分かけて肥後大津駅に到着。「あそ1962」の種別は普通列車だが、停車駅は特急と同じ。所要時間は普通列車より遅い。臨時列車ゆえの事象だろう。電化区間はここまで。大分から来た「九州横断特急」と熊本へ折り返す普通列車と並ぶ。
肥後大津までは宅地が続いていたが、肥後大津を出て一気に景色が田舎になった。車内は1ボックスに1人も乗っていない程度。谷間の平日とはいえGWなのでもっと乗っているかと思ったが、全然そんなことはなかった。車窓を楽しむのであれば偶数番がオススメ。
肥後大津からは上りの急勾配が続く。昭和37年製のディーゼルカーは苦しそうにエンジン音を響かせ20分で立野駅に到着。5.6Kmの距離で標高107mも上ったので当然か?ここでは22分の停車時間があるため、駅前を散策した。
立野駅は標高は277mと大して高いところにあるわけではないが、山あいなので寒さを感じた。空腹のため駅前のみやげ物店を物色。そこにおでんがあり、買って車内で食べることに。おばちゃんに「普通のからしにしますか?柚子胡椒にしますか?」と聞かれたので、迷わず「柚子胡椒」と即答。
3本買ったが価格失念。みんな同じ値段だった記憶がある。こんにゃくの上に無造作に乗っているのが柚子胡椒。なめこの瓶に入っていたので、おそらく手作りだろう。香りが強く手提げのビニール袋に持っていても香りが漂っていた。手前の焼き鳥のような物体は見てのとおり焼き鳥で、天草大王という地鶏だという。おでんを柚子胡椒で食べたのも、焼き鳥のおでんを食べたのも初めて。
立野駅には国鉄高森線を転換した南阿蘇鉄道も乗り入れている。発車を待つトロッコ列車の「ゆうすげ」号。トロッコの車窓から雄大な阿蘇山を眺めることができるという触れ込み。鉄ヲタ的には乗ろうかどうか迷ったが、あまり時間がなかったので今回は見送りに。
立野駅は三段式スイッチバックの駅として有名。標高170mの瀬田駅から277mの赤水駅まで上り、方向転換して306mの転向線に上り、さらに方向転換して465mの赤水駅まで上る。ちょうど逆Z字のように進む感じになる。
(阿蘇山にまだ着かないので続く)
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