只見紅葉Kenji
◆種別:快速
◆区間:新潟~只見(長岡廻り)
毎年紅葉シーズンになると新潟から只見線方面に全車自由席の直通の臨時列車が運転されていますが、7月の水害で只見線・会津宮下~大白川間が不通となっているため今年の運転はなさげです。ちなみに昨年は快速「只見紅葉Kenji」号として全車指定席で運転されました。
車両は列車名の通りJR東日本盛岡運輸区の”Kenji”でした。普段は東北地方を中心に活躍していますが、新潟県に来るのは珍しいことです。この列車の運転のためにはるばる北上線→秋田経由で新潟まで回送されてきました。ただ、”Kenji”は今でこそ盛岡所属の車両ですが、ルーツを辿ると新潟と関係の深い車両です。
”Kenji”はキハ28・58系をベースに国鉄新津工場が改造工事を担当し、JR化後の昭和62年に「アルカディア」として3両編成の全車グリーン車で登場し、当時の新津運転区に配置となりました。ところがその翌年に火災で先頭車1両が焼失し、焼失を免れた2両も使われないまましばらく休車状態となりました。
それから4年後の平成4年に岩手県で開催された「三陸海の博覧会」の観客輸送用の車両を製造することとなり、放置状態の「アルカディア」2両を盛岡へ転属させ、新たに改造したキハ58系と編成を組んで”Kenji”となりました。その際にグリーン車から普通車に格下げされています。
ここ2~3年でキハ58系ベースのジョイフルトレインは廃車がどんどん進んでいて、同じJR東日本小牛田運輸区の「こがね」も昨年末に運用を離脱し、キハ58系ベースの最後のジョイフルトレインとなってしまいました。以前見かけた”Kenji”がボロボロで煤けていたので、同じように危ないと思っていました。盛岡まで行くのは大変ですが、新潟に来るのだったら乗りに行こうかと思い立ちました。
ところが、久々に”Kenji”を見て驚きました。車体がピカピカになっていたのです。どうやら9月に全般検査に通したらしく、きれいに塗りなおされた上にラッピングまでされていました。検査に通したのなら、すぐに廃車になることはないでしょう。
この茶碗のようなキャラクターは岩手県の観光キャラクター「わんこきょうだい」と言うそうです。県内5箇所のエリアの代表的な食材を漆器に盛り付けたキャラクターがいて、それぞれに名前が付いています。検査前は別のラッピングでしたが、Kenjiがこうして県外に遠征することによって岩手県の宣伝になることも期待したのでしょう。
ダイヤは以下のようになっていました(緑色の部分)。只見駅で会津若松~只見間で運転されて快速「SL会津只見紅葉」号(赤色の部分)と接続していました。只見滞在時間は会津若松側から入ると1時間程度ありますが、新潟側から入ると16分しかありませんでした。新潟から来た「只見紅葉Kenji」号は只見駅を5分で折り返していきました。
新潟 只見 会津若松
17:06 ← 13:29/12:33 ← 9:06
↑ ↓
9:32 → 13:24/13:40 → 16:51
新潟側からSLに乗るためにはこの列車の指定券が取れていないと只見にアクセスできなくなりました。ただでさえSLの指定券がとりにくいのに、さらに敷居が上がってしまったような感です。ちなみにこの一本前の列車は小出発5:32なので、普通に考えると使えません。
(紅葉はまだ早かった…)
車内はヲタと団体客っぽい人が半々で、7~8割がた埋まっていました。紅葉にはまだ早く、緑が多く残る風景でした。私は寝坊したので、小出駅から乗りました。隣の加齢臭の強烈だった爺さんは小出駅発車後すぐに爆睡モードに入り、景色なんぞまったく見ちゃいませんでした。「寝るぐらいだったら席変わってくれ~」と心の中で思っていました。
写真は全て只見線・大白川駅で撮影したものです。
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