窓口閉鎖駅めぐり@中田
(中田駅の窓口+改札口)
牟岐線・中田(ちゅうでん)駅は徳島県小松島市にある駅です。9月末で窓口が閉鎖される予定です。さっそく実常用に片道乗車券を購入しました。この時は同業者(=同じように窓口閉鎖駅のきっぷを買いに来ているっぽい人)が少なくともあと2人はいました。
様式はすべて補充式で、以前紹介した西佐川駅のものと全く同じです。五能線にある中田(なかた)駅と区別するため、発駅は「(牟)中田」と表記されています。入場券は券売機のみの発売で窓口発売はありませんでした。
中田駅には興味がありました。私が「○○全百科」みたいな子供向けの鉄道本を読み出したのは小学校低~中学年頃からでした。その中に「国鉄の路線で最短距離の路線は?」という記述があり、その当時の最短距離の路線は「小松島線:1.9Km」とありました。小学生ながらたった1.9Kmの盲腸線に何の意味があるのか疑問に感じるとともに、逆に興味も湧きました。
(中田駅全景)
その小松島線の始発駅が中田駅でした。小松島線は中田駅から1.9Km離れた小松島駅を結んでいました。さらに小松島駅構内に小松島港駅(扱いとしては駅ではなく仮乗降場)がありました。小松島港駅の出口すぐに大阪南港(小松島フェリー)や和歌山港(南海フェリー)とを結ぶフェリー乗り場がありました。小松島港は徳島の海の玄関口的な存在で、小松島港駅から徳島線直通の急行「よしの川」も発着(小松島線内は快速列車)していたぐらいです。しかし、年々利用客が減少し、国鉄末期の赤字路線の整理の中で廃止対象となり、私が行くこと叶わず昭和60年3月で廃線となっています。
(中田駅駅名板)
現在、中田駅にある駅名板の右側は「みなみこまつしま」が消されて修正した跡があります。小松島線の廃線前はおそらく上段に「こまつしま」、下段に「みなみこまつしま」と書かれていたんだと思われます。中田駅に残る小松島線の痕跡はこれぐらいしかありません。
廃線跡は遊歩道として整備されていて、小松島駅や側線跡は「小松島ステーションパーク」という鉄道公園となっていて、C12形蒸気機関車や50系客車が保存されています。廃線跡を歩いてみましたが、きれいに整備されすぎていて鉄ヲタ的には少々物足りなさを感じました。私が唯一見つけられた小松島線の痕跡は中田駅から1.2Kmほど歩いたところにあった構内信号機だけでした。既に廃止から25年も経つのでもう無理もないのかもしれません。
ちなみに小松島線の廃止から8年後の平成5年に小松島フェリーが廃止となり、さらに6年後の平成11年には南海フェリーが四国側の発着を徳島港に変更したため、現在では小松島港からフェリーの発着はなくなっています。
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