ゆめぞら号
◆種別:快速
◆区間:水上~越後湯沢
「ゆめぞら」号とは北越急行のシアタートレインです。シアタートレインとは電車の天井をスクリーンに見立てて、映画のごとく映像(CG)を映し出す電車のことです。北越急行は線内の半分以上がトンネルで、しかも区間が長いので外の景色を楽しむことができません。それならば暗くなる車内で映像を写せば楽しめるのではないかと、暗さを逆手に取った発想で平成15年に登場しました。私はこうしてさらっと書いてしまっていますが、映像システムを請け負った三菱電機エンジニアリングのHPに詳しい開発の経緯が載っています。実現までに相当産みの苦しみがあったようです。
(普段のゆめぞら号・越後湯沢駅)
別に団体専用車両とかではなく、土曜・休日や夏休みなど休みの日に越後湯沢~直江津間の普通列車として運転されています。「ゆめぞら」は過去に何回か乗ったことがありました。映像を見るには上を向いている必要があるため、あまり長時間の映像は映し出せませんが、思ったより映像がきれいに映り「これは発想が面白いなぁ…」と感じました。
その「ゆめぞら」が8月21・28日にJR上越線の水上~越後湯沢間で運転されました。「ゆめぞら」が新潟県を飛び出して群馬県で運転されるのは初めてのことです。今回の運転区間には清水トンネル(上り:9.7Km)と新清水トンネル(下り:13.5Km)というシアタートレインを楽しむには十分な長さのトンネルがあります。
指定は案外簡単に取れました。発売日当日の夜時点でも通路側であれば空席はあったようです。しかし、当日には満席になっていたようなので、徐々に埋まっていったのかもしれません。なぜか運転区間とは関係なさそうな直江津運輸区の車掌が乗務していました。
越後湯沢 土合 水上
2号 10:08 → 10:29着/10:48発 → 11:00
1号 13:16 ← 12:56発/12:19着 ← 12:10
4号 13:33 → 13:55着/14:25発 → 14:36
ダイヤは3号の設定がない1.5往復の変則運転でした。4号が水上駅に着いてからどうせ回送で越後湯沢へ戻らなければならないのに、なぜ営業運転しなかったか不思議です。また、1号は水上駅で快速「SLみなかみ」の接続を取ります。いずれの列車も途中の土合駅で長めの停車時間が設定されているのが特徴です。
(水上駅での「SLみなかみ」との並び)
乗客は新潟地区で募集した「びゅう」のパックツアー客が1両分いて、一般発売されたのは1両分のようでした。しかも、指定席の売れ行きどおりにきれいに座席が埋まっていたのが意外でした。私は窓側席が確保できていたんですが、実際に座ってみてシアタートレインを楽しむのであれば通路側席のほうが見やすくていいように感じました。私の隣の小僧は映像が映し出されている最中も立ったり座ったり落ち着きがなくてイラッとしましたが…。
(土合駅停車中)
土合駅の下り線ホームは新清水トンネル内の地下にあります。そのため「モグラ駅」などと呼ばれ、駅舎からホームまでは462段の階段を下りる必要があります。現在は無人駅ですが、有人時代は「土合駅の改札は下り列車に限り発車10分前に改札を打ち切ります」という注意書きが時刻表に記載されていました。駅を探検するには十分な停車時間がありましたが、462段の階段を上って駅舎まで行く人はさすがに少数派でした。
列車の天井に映像が映し出されている様子をフラッシュを焚かずに撮ってみたんですが、列車の揺れでブレてしまいどうもうまく撮れませんでした。言い訳っぽくなりますが、ほくほく線でもいいので是非実際に乗ってみて体感されることをお勧めしたいです。ちなみに上越線では10月17日にも運転されます。10月の運転では3号が設定されていて、2往復の運転になります。
ゆめぞら号は好きな列車です。全席指定で臨時列車として水上まで来ていたのは知りませんでした。とはいえ、以前からこういう風にやればいいのに…と思っていましたが、JR東側がなかなかやる気になっていなかったんでしょうね。
記事中に書かれているように、乗ったことが無い方は是非一度乗って見てもらいたい列車です。天井いっぱいに映し出される映像は圧巻です。トンネルもなんとく短く感じてしまいます(笑)
子供はすごく喜ぶと思いますよ。
ところで、この臨時運転では何編の映像を投影していましたか。写真では花火編のようですが…。
投稿情報: 雨どい | 2010/09/13 20:10
こんばんは。ほくほく線は六日町→十日町だけ乗車経験ありますが、ゆめぞら号は知りませんでした。
直江津運輸区(車掌)は、昔から水上口でよく見かけますよ。長岡よりも配置人員が多いんですかね。
あと、青函トンネル内でのLEDサービス(ようこそ北海道へ・・・などの文字照射)はもうないんでしょうか。
投稿情報: えびの2号 | 2010/09/14 21:21
>雨どいさん
今まで実現しなかったのは北越急行の車両に余裕がなかったのかなと推測しました。まぁ「プレ群馬DC」が契機になったのもあるでしょうが…。
この列車では花火編と海中編(人魚が出てくるやつ)が放映されました。走行中のみの放映で結構なスピードを出して走っていたので、ちょっと時間不足だった感はあります。
>えびの2号さん
直江津運輸区は長岡より乗務範囲が狭いので人的に余裕があるのかなと思ってしまいました。ちなみに北越急行の車掌(?)と車両の保守要員っぽい人も添乗していました。
青函トンネルのLEDはあまり記憶にありません。新千歳空港駅のトンネルにはあったような気がしますが、北海道はご無沙汰しているので今でもあるかは自信がありません。
投稿情報: 今出川 | 2010/09/16 21:37
えびの91号→にちりん91号に変更しました。
このような列車が設定されていたのは知りませんでした。
直江津運輸区は、平成10年頃には水上まで乗務していました。
驚いた記憶があります。(当時1往復と聞きました)
ゆめぞら号はイベント仕様と思いますが、他の北越急行車両同様トイレの設備は無いのでしょうか?
北越急行の運転士は運転時刻表を持たず、運転席の画面に表示される時刻を見て運転していたと思いますが、JR線ではどうでしょうか?
投稿情報: にちりん91号 | 2010/09/18 21:28
直江津の車掌は「はくたか」乗務の合間の出稼ぎかとも思ったんですが、上越線長岡までの乗務があるようなので違うっぽいですね。
「ゆめぞら」にもトイレはありません。トイレの設置費用よりも車両基地に設置する汚物処理装置の費用負担が重いためだと思われます。なお、JRではスタフを使って運転されていたように見えました。
投稿情報: 今出川 | 2010/09/19 12:36