砂丘
▼種別:急行
▼運転区間:岡山~鳥取(1日5往復)
▼最終運転日:平成9年11月28日
岡山と鳥取を津山・因美線経由で結んだいわゆる「陰陽連絡急行」最後の列車です。
昭和37年に準急「砂丘」として宇野~鳥取間(宇野・津山・因美線経由)を結んだのが始まりです。昭和42年に宇野~上井(現:倉吉)間に延長されました。昭和47年3月に山陽新幹線が岡山まで開業すると岡山~倉吉間に短縮され、新幹線と接続する陰陽連絡の役目も負うようになりました。その後徐々に本数を増やし、5往復にまで増発されました。最晩年の車両はリニューアルされたJR西日本西鳥取車両支部所属のキハ58系でした。
この列車が特徴的だった点を2つ挙げると、普通車は全車自由席でしたが、半室グリーン車であるキロハ28系という車両が1両連結されており、急行列車では珍しくなったグリーン車指定席の設定がありました。
さらに因美線・美作加茂~智頭間では昔ながらのタブレット交換も行われており、「砂丘」は最後までタブレット交換が行われた優等列車でもありました。タブレットとは金属の円盤のことで、通常は肩にかけられるような輪状のキャリアと同時に用いられます。タブレットは閉塞区間(2つ以上の列車が入れない区間)ごとに1つしかなく、タブレットを持った列車でないと閉塞区間を走ることができない仕組みで駅で交換していました。現在でも地方の単線区間でわずかながら見られます。
平成9年11月に区間はそのままで経由を山陽・智頭急行・因美線経由に変更した上で、特急「いなば」 に格上げし廃止となりました。
私が乗ったのは廃止1ヶ月前のことでした。「砂丘」のグリーン車は自由席だとばかり思っていましたが、いつの間にか指定席になっていたので乗ってきました。でも、あまり財政的に余裕がなくてグリーン車の乗車区間はギリギリ100Kmを切る美作加茂→岡山間で、鳥取→美作加茂間は自由席だったりします。この当時はマルスで一部区間だけ指定するきっぷを発券できなかったようで、料金補充券(料補)の登場となりました。
写真は手持ちがなかったので「裏辺研究所」 よりお借りしました。岡山駅で撮影したものだそうです。前から2両目の車両がキロハ28系です。現在は全車廃車となっています。
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